臨床検査の種類
臨床検査技師の仕事は多岐にわたりますが、大きく2つに分けることができます。主として血液や尿、便、喀痰、また脳脊髄液や胸水、腹水など、患者さんから採取された検体を検査する「検体検査」と、心電図や脳波、肺機能検査や超音波など、患者さん自身を対象として検査をする「生理検査」です。
検体検査とは・・・広い分類として
検体検査の対象となる検体とは、人体から排泄または採取されたもので、血液、尿、便、脳脊髄液、胃液、十二指腸液、胸水、腹水、喀痰、細胞など多くの種類があります。そして、この中で何を対象としているか、またはどのような検査をするか、などによって、血液検査、生化学・免疫検査、一般検査、細菌検査、輸血検査、病理検査などいくつかの分野に分けられています。
検体検査とは・・・狭い分類として
広い分類での検体検査はいくつかの分野に分かれます。多くの病院では、この中で、血液検査、生化学・免疫検査・一般検査を「検体検査」としています。そしてそれぞれを独立した検査室として「血液検査室」「生化学・免疫検査室」「一般検査室」などとしている病院と、3分野をまとめて「検体検査室」としている病院があります。
ここでの検体検査は・・・そしてなぜ検体検査について取り上げたいのか
ここで取り上げる「検体検査」は狭い分類での「検体検査」です。それは、私自身が、これまでの多くの時間携わってきた分野だからです。検体検査は、現在の診療体制の中で、診断、治療に欠かせない情報を提供しています。病院を受診した時、診察前に採血をして、その結果を待って診察となることがあると思います。夜間でも休日でも同様のことがあるでしょう。この時の検査が検体検査です。検体検査は、多くの場合365日24時間体制で、正確かつ迅速な結果が求められます。そこには高い専門知識や技術が必要となります。そのため、担当している臨床検査技師は、日々研鑽を積み頑張っています。しかし、一部の臨床検査技師の中では、「検体検査は誰でもできる」とか「面白くない」といった言葉が時々聞かれます。そういった状況も含めてあらためて「検体検査」について考え、みなさんに知っていただければ、と思っています。
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