インフルエンザ

インフルエンザが流行っているね
「インフルエンザ」は、おそらく誰もが知っている疾患はないかと思います。
今回はみんなが知っているインフルエンザについて、
知識や情報をまとめてみたいと思います。

インフルエンザについて
インフルエンザとは

インフルエンザはインフルエンザウイルスによる急性の呼吸器感染症です。普通の風邪のようなのどの痛み、鼻水、咳などの症状に加えて、38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などの症状が急速に現れます。また、重症化しやすいともいわれています。
インフルエンザの型

一般的によく聞かれるのはA型とB型だと思います。
実は、インフルエンザウイルスは、A型、B型、C型、D型に分類されます。
このうち大きな流行の原因となるのが、A型とB型です。
感染経路
インフルエンザの感染経路は、飛沫感染と接触感染があります。
飛沫感染は、感染者のくしゃみ、咳などの飛沫とともにウイルスが放出され、これを別の人が鼻や口から吸い込むことによって感染します。
接触感染は、感染者がくしゃみや咳を手で押さえたあと、その手で周囲の物に触れることによってウイルスが付着、これを別の人が触ることで手にウイルスが付着し、その手で口や鼻を触って感染します。
季節性インフルエンザと新型インフルエンザ
インフルエンザには、季節性インフルエンザと新型インフルエンザがあります。
両者には、ウイルスの抗原性と免疫の有無に違いがあります。
季節性インフルエンザ
インフルエンザウイルスは抗原性が小さく変化しながら毎年流行しています。つまり流行性があります。これが季節性インフルエンザです。
日本での流行シーズンは例年12月から3月といわれていました。コロナ禍以降、季節性インフルエンザの流行が例年と異なるタイミングで始まるようになっているようです。2025年は9月末ごろから患者数が増え始めています。

新型インフルエンザ
通常は小さく変化している抗原性が、大きく変化したのが新型インフルエンザです。免疫の獲得ができていない人々の間に急速に蔓延します。
過去に発生したスペインインフルエンザ、香港インフルエンザ、また、2009年から2010年のシーズンに発生した新型インフルエンザAなどがこれにあたります。
新型インフルエンザは多くの人々が免疫を獲得すると、季節的な流行を繰り返す季節性インフルエンザとなっていきます。

流行状況の把握
感染症動向調査

感染症動向調査は1981年から全国で行われている調査です。
感染症法に基づく感染症対策の1つとして実施されています。
感染症の発生情報の正確な把握と分析をし、情報提供することにより感染症の発生と蔓延防止を目的としています。
調査には全数把握と定点把握とがあります。
全数把握

全数把握の対象疾患は、周囲への感染拡大防止を図ることが必要、あるいは発生数が希少なため定点把握では正確な傾向の把握が困難なものです。
医師または獣医師は感染症法第12条、第13条で指定された疾患に関して、定められた内容を届け出ることが義務付けられています。
定点把握

定点把握の対象となるのは、患者数が多数で全数を把握する必要がない疾患です。
都道府県が感染症法第14条に基づき「指定届出機関(定点医療機関)」を指定します。指定医療機関は、定められた疾患に関して患者の発生状況等を届け出ることになっています。
定点報告数は1医療機関あたりの平均報告数です。
インフルエンザの流行状況の把握

インフルエンザは定点把握の対象疾患にあたります。
指定された医療機関が、発生状況を指定の期間(週又は月)ごとにとりまとめて保健所に報告します。そして、保健所ごとに各管内の患者情報の解析が行われ、都道府県に報告され、厚生労働省に報告されます。
インフルエンザの患者数などが都道府県と厚生労働省から発表されるのは、このようなシステムによるものです。

インフルエンザの検査
検体の採取
インフルエンザの検査は、迅速抗原検査が一般的です。
「迅速検査」とは、操作が簡便なキットを用いて、短時間で原因病原体を検出する検査です。
インフルエンザの場合、細い綿棒を鼻の奥に入れて粘膜を採取します。
綿棒で粘膜を採取する際、採取場所としては、鼻腔と咽頭があります。インフルエンザウイルスは鼻から咽頭にかけての上気道の粘膜に付着しています。したがってインフルエンザの検査の検体は鼻腔から採取します。

鼻に綿棒を入れるので、違和感は拭えないと思います。
奥まで入れて粘膜をこすり取るので、少し痛みがある場合もあります。鼻が詰まっていると綿棒が通りにくいので、できれば鼻詰まりがない方の鼻で検査するのが良いようです。
また、なるべくリラックスした方が、楽かもしれません。

検査方法
鼻腔から検体を採取した綿棒を、通常は検査キットの中の検体処理液に浸して抽出液を作ります。この抽出液を検査キットの検体滴下部に決められた量滴下します。
判定までの時間は検査キットごとに違うので、決められた時間放置し、時間経過後、判定を行います。

結果の判定
結果は、判定部に出現するラインの有無で判定します。
インフルエンザの迅速検査のようにいわゆるデバイスを用いる方法では、コントロールのラインの出現が必須で、これを確認してからテストライン、つまり検体の検査結果となるラインの確認を行います。多くの場合、うっすらでもラインが見えれば「陽性」と判定します。

通常、このような検査キットの判定部には「C」と「T」の文字があります。
「C」はコントロールライン、「T」はテストラインです。
コントロールラインは、検査キットが正常で、正しく検査が行われれば必ず出現します。言い換えれば、何か問題があれば出現しません。精度管理をしているのです。
テストラインは検査結果を判定するラインで、検体中に抗原が存在する時に出現します。つまりテストラインが見えれば「陽性」ということです。

強陽性の場合は経過時間前に判定ラインを認める場合があります。この時、きちんとコントロールラインも認められれば、規定時間に達していなくても「陽性」の判定ができます。
問題は「陰性」の場合です。通常、経過時間を待ってコントロールラインを認め、テストラインが出現していなければ「陰性」と判定します。

抗原量が微妙な量の場合、経過時間を過ぎた後、うっすらテストライン出てくることがあります。
原則は「規定時間を守る」ということなので、時間が過ぎれば判定する必要はないともいえます。
しかし、抗原が存在しなければ、どれだけ時間が経ってもテストラインは認められません。したがって、多少時間が超過していても、テストラインが出てくれば「陽性」と判断することが多いと思います。

結果の判定あれこれ
迅速検査は提出医に結果を電話連絡することが多いと思いますが、ラインが薄いときはそのことも合わせたえて伝えたりもします。時間が超過して出現した場合もその旨を伝えます。

インフルエンザの場合、予防投与で抗インフルエンザ薬を服用している場合があります。そのような時は抗原量が少なく、検査結果がはっきり陽性にならないことがあります。

兄弟姉妹のうち誰かが陽性の場合、他の兄弟姉妹も一緒に検査をするケースがあります。そのような場合は、まだ症状が出ていない兄弟姉妹は感染のごく初期で、検査結果がはっきり陽性にならないということもあります。

他院ですでに治療をしていて、別の理由で他の病院を受診して検査をしたような場合にも、完全にウイルスが消えていない状態で、ゆっくりと陽性ラインが出現するという結果となる場合があります。
ワクチン
ワクチンの有効性
現在のインフルエンザワクチンは、発病の予防、発病後の重症化や死亡の予防に効果があるとされています。インフルエンザに絶対かからないというものではありません。
インフルエンザウイルスは、口や鼻などの粘膜から体内に入り、体内の細胞に侵入して増殖します。これが「感染」です。
ウイルスが増えると潜伏期間の後、インフルエンザの症状がでます。これが「発病」です。
多くの場合1週間程度で回復しますが、肺炎や脳症などの重い合併症が現れる場合があります。これが「重症化」です。基礎疾患のある方、高齢の方で重症化する率が高いと考えられます。

この経過の中で、インフルエンザワクチンが有効とされているのは、「発病」と「重症化」の予防です。
接種回数と接種のタイミング
我が国では、通常、13歳以上の方は1回接種です。13歳未満の方は2回接種とされています。
インフルエンザワクチンはそのシーズンに流行が予測されるウイルスを用いて製造されます。したがって、ワクチン接種は毎年検討すべきです。

インフルエンザの流行シーズンは、12月から4月頃とされているので、12月中旬くらいまでにワクチン接種を終えた方が良いといわれています。しかし、近年、インフルエンザの発生時期が早まっているので、ワクチン接種時期も早める方が望ましいと考えられます。

ワクチンの副反応
接種した部位の発赤、腫脹、疼痛が、比較的頻度が高い(接種を受けた方の10%~20%)副反応と言われています。
全身性の反応として、発熱、頭痛、悪寒、倦怠感などが、接種を受けた方の5%~10%に見られます。
まれにワクチンに対するアレルギー反応として、発疹、じんましん、発赤、掻痒感などが見られることがあります。

インフルエンザの予防

基本的な感染予防対策としては、正しい手洗い、消毒、マスク着用、咳エチケット、換気、予防接種などがあげられます。
また、適度な湿度の保持、バランスのとれた栄養摂取、十分な休養なども効果的だとされています。人込みや繁華街などへの外出を控えることも有効です。
重症化リスクが高い方

インフルエンザは、軽症で回復する方も多いですが、肺炎や脳症などを併発して重症化する方もいらっしゃいます。
高齢者、幼児、妊娠中の方、基礎疾患(喘息、慢性呼吸器疾患(COPD)、慢性心疾患、糖尿病などの代謝性疾患など)がある方は、重症化しやすいとされています。

インフルエンザに感染しない、感染させない
季節性インフルエンザは、毎年流行します。
まず大切なのは、普段から手洗い、咳エチケットなど、「感染しない、感染させない」ための心がけだと思います。
周囲に重症化しやすいと考えられる人がいる場合は、特に注意、配慮が必要です。家に小さな子や高齢の方がいらっしゃり、通勤通学しているような方は、インフルエンザウイルスを持ち帰らないような注意が大切だと思います。

もし、インフルエンザかな、と思ったら、早めに安静にし、症状が現れたり、必要に応じて、医療機関を受診しましょう。無理は禁物です。周りに広めないためにも、適切な対応が重要です。

迅速検査といえども正しい結果のための管理はしています

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