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採血のこと・・・その3

採血と検査
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なんだかもう一回採りたいって言われたんだけど・・・

再採血の経験はありますか
「ただでさえ採血は嫌いなのに、もう一回って何?」と思われる方もいらっしゃると思います。
今回はこの「再採血」について考えてみましょう。

再採血」、つまりもう一回採血するわけですが、その場で「もう一回採らせてください」と言われる場合と、採血後、検査結果を待っている時に呼び出される場合、などがあると思います。
その場で言われる時は、採血量が明らかに不足しているなど、そのまま検査に提出するのが難しい明白な理由がある場合といえます。
一方、検査結果を待っている時、つまり少し時間が経ってから呼ばれる時は、検査を始める段階で不具合が判明した場合といえます。

その場で「もう一回」と言われる場合は、たとえば、採血中に血液の流出が止まってしまった時などです。血管に針がきちんと入って血液が採血容器に流出しはじめても、急に出なくなる場合があります。採血者は針の角度や深さを調整するなどの策を試みますが、それでも回復しない場合は採血をいったん終わりにして針を抜くことになります。この時、採血量が規定量ではないが何とかなりそうでほかに明らかな問題がない場合は、そのまま終了となります。
しかし、明らかに量不足、または複数の採血容器のすべてに採血できていない、あるいは、凝固してはいけない検査用の血液が固まってしまっているというような明らかな問題がある場合は、「もう一回」となります。

採血後の検体は検査科に運ばれ、まず、採血管が正しいか検体量は十分か、凝固の有無、などの確認を行います。
採血管は何種類もあって、検査の内容によって決まっています。これが間違っていると正しい検査はできません
必要な検体量も検査の内容によって異なります。たとえば赤血球や白血球の数を算定する血液検査では、多くの場合2ml~3ml程度の血液を必要とし、この検査では凝固は不可、つまり固まっていてはいけません。一方、肝機能や腎機能などを調べる生化学検査では、多くの場合3ml~5ml程度が必要量とされます。生化学検査では血液が凝固した後、遠心機で遠心分離をして得られる「血清」で検査するため、凝固していることは問題ありません
つまり、検体に凝固が認められた場合、それが血液検査なら「検体不適」生化学検査なら「問題なし」ということになります。

検体量に至っては、話は少し複雑になります。必要量として公表されている量は、再検査や追加検査等なども考慮して設定されています。純粋に1回の検査に必要な量は、実施する検査の内容や検査法、使用する機器等によって異なります。したがって、必要量の設定は、各病院、各検査室によって変わってきます。
また、血清量は、通常、全血の量のおよそ半分程度ですが、これは個人差があり、多血症などの場合はもっと少ないですし、貧血の場合はもっと多くなります。採血での必要量は、血清の比率が一般的な場合を想定して設定しています。したがって採血量としては十分採ったつもりでも、想定よりも少ない血清しか採れず、検査には量不足となる場合もあるわけです。
このような諸々の事情を考慮した上で、再採血を要求しなければならない量不足かどうかの判断をします。極論をいえば、最低1回の検査に足りれば「良し」としている場合もあると思います。

もうひとつ、再採血の要因となるのが生化学検査での「溶血」があります。
溶血」とは赤血球が破壊された状態をいいます。血液を遠心分離して得られる「血清」は、通常は黄色味を帯びた透明な液体です。これが溶血すると赤血球の赤色となります。生化学検査では、色調が赤いことも検査に影響がある場合がありますが、赤血球が壊れることで、本来の血清の成分の量が変わってしまう場合があります。つまり検査結果に影響がでるわけです。

検体が凝固しているか、検体量や血清量が検査に十分足りるか、溶血があるか、などは検査室で判断することになります。したがって、「採血後少し時間が経ってから呼び出される」ということが起こることになるのです。
また場合によっては、検査の提出医師に相談して再採血をするか決めることもあります。
再採血については、また別の機会に、検査の内容との関係や、そのほかの諸々の事情などにも触れたいと思います。

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