採血の注意点~気を付けたいこと~

採血っていろいろ面倒だし痛いし・・・。
今回は、採血する場面を思い浮かべてみましょう。

採血室で呼ばれます。最近は氏名ではなく「採血番号」のような番号で呼ばれることが多いと思います。そして指定された採血ブースに行きます。
「採血番号」や「ID番号」、「氏名」、「生年月日」などによって本人確認が行われます。採血容器のラベルを提示され確認する場合もあるでしょう。この「本人確認」は非常に大事です。
「同姓同名」って自分とは関係ないと思っていませんか。また、「番号を呼ばれて座ったのだから自分に決まっている」と心のどこかで思っていませんか。
この思い込みが「患者間違い」につながるのです。
医療従事者にとっても同様です。少しの思い込みや気のゆるみが、重大なインシデント「患者間違い」につながります。
採血による検査は重要です。正しく自分の血液で検査しなければ何の意味もありません。
本人確認はしっかり行うことができるよう協力しましょう。
本人確認が済むと、採血の本数や内容の説明などがあるでしょう。消毒のためのアルコールの使用が大丈夫か、また、血液をサラサラにするお薬(抗凝固薬・抗血小板薬などといいますが)を服用していないか、などの確認があります。これもとても重要な確認です。特に血液をサラサラにするお薬は、血液が止まり難くなるので要注意なのですが、このお薬の効き具合をみるために検査をする場合もあります。このお薬を服用している場合、通常より念入りに止血する必要があるので、医療従事者の側もそれなりの準備が必要になります。
ですから、確認事項にはきちんと答えるようにしましょう。

さて確認が済むと、いよいよ採血する場所を決めます。ふつう、両腕を、肘より上まで見えるように出していただきます。寒い季節には肌着を含めてたくさん着ていて、なかなか腕が出ない方がいます。腕をきちんと見ることができないと、良い採血部位を決めることができません。冬場などはセーターを1枚脱いでおく、などの工夫をしていただけると良いかもしれませんね。
通常、採血部位の第一選択は前腕屈側の肘正中皮静脈とされています。ただ、血管の走行は、位置も深さも個人差があり、また神経もあることから、いくつかの血管の中から適切な血管を慎重に選択します。採血時の重大な合併症として神経損傷があります。多くの場合、肘正中皮静脈や尺側皮静脈、撓側皮静脈などが選ばれますが、これらの血管の付近には神経も走行しています。神経を傷つけることがないよう、なるべく太く、浅く、弾力のある血管を選択します。
適切な血管を選択するため、最初に両腕を見せていただくことが多いです。ご本人の好みやご都合などもあるかもしれませんが、可能な限り協力していただけると良いと思います。
もちろん、たとえば透析のシャントがある、化学療法中、乳癌の術後、ケガをしている、など、採血可能な腕がどちらか片方に限られる場合もあります。何らかの事情があり、医療従事者が気付かない場合は、採血前にはっきり伝えると良いでしょう。
さて、肘のあたりで適切な血管がみつからなかった場合はどうするか。経験のある方もいらっしゃるでしょう。この場合は前腕を探し、それでも見つからない場合は手背、つまり手の甲で探します・・・手背は痛いですが (T_T)
血管の走行は個人差がありますが、血管の状態は日差、つまり日によって状況が違う場合があります。血管の怒張が悪く、「手を握ったり開いたりしてください」とか「腕を温めましょう」と言われたことがある方もいらっしゃると思います。毎回温める方もいらっしゃいますが、「いつもはそんなことないのに・・・」と思われたことがある方もいらっしゃると思います。
体調によって、たとえば血圧や脱水など、いろいろな要因で血管の状態も変わってくるのです。
血管が良い状態でないと、必要な量が採れなかったり、採りなおしになる場合もあります。
なるべくスムーズに採血できるよう、医療従事者からの提案には協力していただけると良いと思います。
採血される側が協力するようなことばかりのように思われた方もいらっしゃるかもしれません。
医療従事者ももちろんいろいろな努力をしています。
安全な採血を実施し、正確な検査結果を得るため、「標準採血法ガイドライン」があり、ここには採血の準備、手順、血管の選択、合併症などさまざまなことが記載されています。
採血を担当する医療技術者は、このガイドラインを参考に、さまざまな教育や訓練をうけて、採血に臨んでいます。技術の熟練の度合いは必ずしも皆が同レベルではないかもしれません。
でも、できる限りスムーズで安全な採血ができるよう日々努力していることも、知っていただきたいです。

今回は一般的な採血の場面を想定して、大事なこと注意したいことをいくつか取り上げました。
実際には採血の内容によって、これ以外にも説明があったり、大事なこと、注意したいことなどがあると思います。
それらはどれも必要で重要な事柄ですから、どれもきちんと聞いて対応していきたいものです。
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