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採血のこと・・・その4

採血と検査
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凝固したから再採血だって言われた・・・⁈

再採血で呼ばれました。「凝固していたので採り直しをさせてください」と。
『「凝固した」って何?どうして取り直すの⁇』って思ったことはありませんか
今回は再採血の原因のひとつ「検体の凝固」について考えます。

血液を検体とする場合、全血のまま使う検査と、血清または血漿に分離して使う検査があります。
ここで「凝固したから取り直す」事態となるのは、「全血」と「血漿」です。

全血」は字の通り血液をそのまま使用する検査で、血算、ヘモグロビンA1Cなどがあります。血算は赤血球や白血球、血小板などの数を算定する検査ですので、血液が固まってしまうと正しい検査はできなくなります。ヘモグロビンA1cも赤血球のヘモグロビンが糖と結合したものなので、血液が固まってしまうと正しく測ることができません
これらの検査はそれぞれ専用の機器で測定するので、検体が凝固して流動性がなければ、物理的にも測定することができないといえます。
仮に凝固が検体の一部で測定は可能だったとしても、凝固した部分にそれぞれの血球がとりこまれており、正しい数値を出すことはできませ

「血漿」は血液の細胞(血球成分)以外の成分で、血液の約55%を占めるとされます。
血液はそのまま放っておくと固まります。これには凝固因子という蛋白質が作用するのですが、この凝固因子も含んだ溶液血漿」です。ちなみに血漿から凝固因子を取り除くと「血清になります。つまり、血液を放置して凝固してから遠心分離でして得られた溶液は、凝固因子をすでに消費していて存在しないので「血清」です。血漿」は凝固因子を含むので、言い換えれば消費してはいけない、すなわち凝固してはいけない、ということになります。
血漿を使用する検査項目はいろいろありますが、たとえば凝固因子、血糖、BNPなどがあります。
血漿を使用したい場合は、血液が凝固しないように「抗凝固剤」という試薬を添加します。この抗凝固剤には、EDTA、ヘパリン、クエン酸、フッ化ナトリウムなどいくつかの種類があり、検査の項目によって使い分けられています。この抗凝固剤を間違えると、検査結果に影響がある場合があり、これも再採血の原因になることもあります。また、正しい抗凝固剤を使用しても、採血の際のちょっとしたトラブルや不手際で血液が凝固してしまう場合があり、結果として「採り直し」となることがあります。

実際の現場では、検体が凝固している場合、採り直しをお願いするかどうかは判断が分かれることもあります。
「凝固していたら再採血」と決めている病院もあると思います。「正しい検査結果を報告する」という観点からいえばもっともなことといえます。
たとえば、明らかに、どうにも許容できないほどの完全な凝固の場合は、採り直しとなることが多いと思います。しかし、凝固がごく一部の小さい凝塊だった場合は、参考値で報告する場合もあるかもしれません。あるいは状況を医師に報告、相談し、判断を仰ぐ場合もあります。
抗凝固剤を間違えた場合も同様です。「必ず再採血」と決めている病院もあります。もちろんこれももっともなことです。抗凝固剤を間違えると真の値とならない場合があるからです。ただしこの場合も、医師の判断を仰ぐことも多いと思います。「参考値でよい」との判断が得られれば、そのまま検査に進むことになります。

再採血は患者様の精神的、肉体的な負担になります。また、検査結果を待って診察する場合、再採血となると、当然その分の時間が加算されるので、診察までの待ち時間が長くなります。したがって、再採血をしなくても良いなら、そのまま検査に進みたいのは言うまでもありません。そのため、医師に相談するという対応もあるのです。
また、入院している場合などにありがちですが、たとえば、「最初の採血後に食事をしてしまい空腹時の条件を満たさないので、その日の再採血は見送る」ということもあります。

私の経験でいえば、凝固検査の検体が固まっていたので医師に連絡すると、「血が固まりにくいかもとスタッフに言われたので、確認のために採血したのだけど、固まったのなら大丈夫かな・・・。とりあえず今日は中止にして、日を変えて検査します」と言われたことがあります。これはこども病院での経験ですが、「凝固機能の確認をしたかったから、参考値でなく正しい検査結果がほしい。でも、現状、固まったのなら緊急性はなさそうだから、今日は中止にして、後日検査しよう」という感じでしょうか。小児だったとうことも大きいと思いますが、こんな判断もあるのです。

「凝固していたのでもう一度採血を」と言われた場合は、こういったいろいろな事情をふまえた上での判断だとご理解いただき、協力していただけると良いかと思います。

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